前照灯の工作 (1月10日販売開始)

以前レジンキャストで製品化していたボッシュの前照灯は型の寿命が短く生産性に問題があったので3Dプリントでリニューアルしました。
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3Dプリント製品はどうしても積層痕がのこるので、表面の滑らかさはレジンキャストに軍配が上がりますが、軽くヤスリがけすれば十分だと思います。
以前のセットには無かった灯火管制カバーを外した状態と反射鏡が外れた状態もセットに含めています。
クリヤーのレンズパーツはUVレジンのキャスト製で透明度や拡散の筋を精密に再現しています。
原型は不透明で作るので、仕上がりがどのように見えるか予測がつかず、何度も作り直しました。
複製も試行錯誤が必要でしたが、なんとか満足のいく物が出来ました。
透明レジンと聞くと黄変のイメージがありますが、UVクリヤーレジンはアクササリーや手芸業界で沢山商品化されていて性能がよくなっているようです。黄変の長期レビューも盛んに行われているので、長期間野外に晒しても黄変の起こらないレジンを選びました。


以下に撮影見本制作時に気づいた点をまとめていきます。
レンズパーツは湯口をヤスリがけする必要があります。切りとった後は小さくて掴みづらいので、プラ角棒などにマスキングテープで固定すると作業しやすいです。
(クリヤーレジンは若干柔軟性があり強く押さえると曲がることがありますが、熱湯につけると復元します)

反射鏡部分の塗装の下処理としてMr.コンパウンド粗目600番を綿棒に付けて研磨しました。モーターツールで高速回転すると溶けて細かいえぐれが発生するので注意が必要です。超低速にするか、手で回すのが安全です。
さらにタミヤコンパウンド細目で仕上げたもの 左の未処理の比較
(電球はレンズを付けると見えなくなるので省略して穴で表現しています)


高価なメッキ系の塗料で仕上げるのが一番かもしれませんが、なるべく手軽な塗装を試しました。

1 mrカラー8番シルバー 筆塗 下地研磨あり
2 タミヤ ペイントマーカーxー11クロームシルバー 下地研磨なし
3 タミヤ ペイントマーカーxー11クロームシルバー 下地研磨あり
4 ガンダムメッキシルバー 下地研磨なし
5 ガンダムメッキシルバー 下地研磨あり
6 Mrメタルカラー アルミ 下地研磨なし
7 Mrメタルカラー アルミ 下地研磨あり 600番コンパウンド
8 Mrメタルカラー アルミ 下地研磨あり タミヤコンパウンド細目
9 下地研磨後 ラッカーホワイトをエアブラシ塗装 600番コンパウンドで塗膜を研磨 Mrメタルカラー アルミを塗って乾かした綿棒で研磨
10 下地研磨後 ラッカーホワイトをエアブラシ塗装 タミヤコンパウンド細目で塗膜を研磨 Mrメタルカラー アルミを塗って乾かした綿棒で研磨


実物の反射鏡は明るいシルバーでアルミ製のように見えます。(物によってサビが付着しているもあるのでニッケルメッキの可能性もあり?)
4、5のガンダムメッキシルバーは粒子感が残りますが、明るいシルバーで見栄えはいいです。
タミヤ ペイントマーカーx-11クロームシルバーは明るいですが鏡面の感じが出ないので不採用。
10までいくと景色が映りそうになっていますが、影も暗くなるので実物の見え方と少し違います。
Mrメタルカラーにおいては、意外と鏡面仕上げにするよりヘアラインを残した方が明るい銀になります。

明るく反射して見える5と7で撮影用サンプルを組みました。9もかなりいいと思います。

丸いマスキングはハイキューパーツの円形マスキングシール3.2mmを使用しました。(少し小さい)
透け対策をしていなかったので若干、透け感と発色の差が出ています。レジンプライマーを省略しましたが、クリヤーレジンの部分には吹いた方がよさそうです。 7はレンズの固定が垂直になっていないので5を完成見本に使いました。 位置合わせの切り欠きはついていますが、若干ルーズなのでずれないように注意してください。

なぜクリヤパーツに時間をかけていたかというと、I号戦車ヘッドライトと車幅灯を製作しているので作業をまとめるためです。
そのほかの部位も設計しているのでお楽しみに。発売時期はまだ未定です。